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残渣を鋤き込む3つのメリット

      2017/11/02

鳥取県岩美町からこんばんは!
farm Springboardの川西です。

ようやくキュウリの後方付けが終わりました。
ハウス4棟、面積にして10アールの広さですが
3日要しました。

この後方付けは、当農場のこだわりでもあります。
なので少し時間がかかります。

残渣はその圃場に鋤き込む

収穫を終えて残った作物の樹などを
残渣(ざんさ)と呼びます。
栽培中に発生した病害虫を残さないために、
後方付けでは残渣をハウス外へ持ち出し、
乾かした後に焼却することが一般的です。

ですが当農場では、お構いなしにすべてを
ハウス内の土の中に返しています。

ただ、キュウリや春に作るトマトなどの樹は
つる性の樹なので、そのままトラクターで鋤き込むと
ロータリーに絡みついてしまいます。

そこで大活躍するのがチッパーという裁断機。

チッパー(裁断機)ファームスプリングボード
これで誘引で使った紐も一緒にすべて細かくしてから
トラクターで鋤き込んでやります。

今日の作業を動画に撮ったのでよかったら見てください。
ただひたすら裁断しているだけの約10分間の映像です。
機械音が少しうるさいのでボリュームに気を付けてください。

では、なぜ手間が掛かるこの方法を取っているのか。
それはもちろん、畑にとって作物にとって、
そして農家にとってメリットがあるからです。

土が柔らかくなる。

残渣を鋤き込むということは、大量の有機物を
投入しているということになります。
これを毎年繰り返すと土の変化が手に取るように分ります。

実際、僕のハウスの土も就農当時と比べると、格段に柔らかく
団粒構造の多い、いい状態の土になっていることがよく分かります。

有機物は堆肥でもいいのですが、それにはどんなものが
含まれているか分かりません。
また、必要以上の栄養素が含まれている場合もあります。

それよりも、自分で育てた作物の残渣を土に返したほうが
よっぽど安心できます。

次作の栄養分となる。

残渣は細かく裁断しているので、土中で早く分解が進み、
次に植えた作物の栄養分となります。

当農場では、乳酸菌を使って有機物を分解させています。
残渣に残っている病原菌などは、この乳酸菌が食べてくれていると
考えています。

肥料が少なくて済む。

残渣には窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、
作物の成長に必要な栄養素が、実はすでに含まれています。

これを土の中に返せば、次に植える作物には
吸収量の多い窒素とカルシウム、これだけを元肥として
投入してやればいいのです。

つまり、掛かる経費も少なく抑えられます。

驚かれると思いますが、実際にこれまでリン酸とカリウムは
入れたことがありません

 

この僕流の残渣処理には、時間と労力が掛かりますが
美味しいものを作ろうと思うと欠かせない作業の一つであります。

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