ファームスプリングボードとは?
ファームスプリングボードの名前の由来
農家としては、少し変わったこの名前。
実は、私の思いのつまった名前です。
農園の名前となっている「ファームスプリングボード」には元々、「跳躍台」という意味があります。
当園では、この「跳躍台」という言葉を、「幸せな未来へのキッカケ」ととらえています。
私の作った野菜や農場がキッカケとなって、あなたや、あなたの大切な方の毎日が、より幸せな方向に向かっていくように。
また、私の大好きな鳥取や、岩美町の良さを多くの方に知ってもらえるキッカケとなるように。
そんな思いで、この名前をつけました。
当園発祥の”いわみとまと”
当園から全国のお客様に産地直送でお届けしている”いわみとまと”は、当園で土作りや栽培管理の研究の末、誕生させたトマトです。
品種は大玉の桃太郎トマト”はるか”です。
カルシウムや乳酸菌を使ったこだわりのトマトで、トマト特有の青臭さや嫌味がなく、超濃厚で、トマト嫌いのお子様でも食べていただける自信作です。
いわみとまとは、「岩美町の良さをもっと多くの方に知ってほしい」という思いから、2016年に命名しました。
ファームは鳥取砂丘や浦富海岸のすぐ近くです。
〒681-0022
鳥取県岩美郡岩美町白地252
ファームスプリングボードのある、鳥取県岩美郡岩美町(いわみちょう)を少しご紹介しますね。
私の住んでいる岩美町は、あの有名な鳥取砂丘からもほど近く、絶景の広がる浦富海岸(うらどめかいがん)からも車で10分くらいの距離です。
風光明媚な場所で、海がとってもきれいです。
夏は海のレジャーでにぎわい、冬は近くの山で、スノーボードなどのウィンタースポーツを楽しむことができます。
また、空気が澄んで明かりが少ないので、夜はとても星空がきれいです。
モサエビやシロイカ、ハタハタ、イガイなど、鳥取ならではの海産も非常においしいんですよ。
いっとき日々の忙しさを忘れ、ホッと一息、落ち着いて過ごせる場所です。鳥取砂丘へのご旅行を計画されている方も、そうでない方も、ぜひ一度岩美町にお越しください。お待ちしています。
でも実は……私は、岩美町出身ではありません。
ここまでお読みいただいた方の多くは、きっと私が岩美町出身で、地元が大好きなのでは、と思われたのではないでしょうか。でも実は、私は岩美町出身ではありません。
生まれは兵庫県で、大学時代に鳥取に住んでいたことはあったものの、その後、すぐに鳥取で農業を、というわけではなかったんです。
「本当にやりたいこと」を探し続けていた20代前半
私の最初の職場は、滋賀県でした。しかしその後、思うところあって大阪、静岡と、住む場所や職を転々とする日々が続きました。私が20代の頃、ひとつの仕事に就かず、いろいろなところに移っていたのは、本心から、「これがやりたい!」と思えることに、なかなか出会えなかったためです。
私はふだんから、一度きりの人生、自分の興味のもてる仕事をしたいと、ずっと思っていました。だから「自分のためになることだったらしよう」という思いで、勉強をしたり、仕事を決めたりしていました。
その後、思い切ってカナダに留学を決めたのも、カナダなら、英語を学べるし、自分の将来のためになるだろう、という思いからでした。
カナダでの出会い
自分のためにと始めたカナダでのホームステイは、今思い返せば、なかなかつらいものでした。言葉が通じないのは分かっていましたが、英語は思ったように上達せず、コミュニケーションにも、大変さを感じました。(当初1年間の留学の予定だったところを、半年で帰国しました……)
でも、そこで自分と同年代の日本人留学生と知り合えたことが、私の人生を大きく変えてくれたように思います。
その留学生に、カナダに来た理由を聞くと、こういう答えが返ってきたんですね。
自分は、青年海外協力隊に参加して、多くの困っている人のために働きたい。そのために英語が必要だから、カナダに勉強しに来たんだよ。
その人は、カナダに来るまでは、ふつうに会社で働いていたんです。
でも、青年海外協力隊になるために、自分のお金や時間を遣ってでも、貧しい国の子供たちのために働きたいと思い、会社を辞めてきたそうです。
私は、「人のために何かしよう」という、かれの動機に打たれました。自分は、すべて「自分のため」に行動を決めてきました。でもかれは、「人のため」に行動を決めている……。
自分だけの小さな世界にとどまらず、広い視点をもって生きているかれと接して、自分の価値観が、大きく変わるような気がしました。
自分も、人のために何かしたい。
自分も何か、他の人のためになるようなことがしたい。25歳の頃でした。会社員として働くのは、合わないな……という気持ちもあり、カナダから帰国後、いろいろ考えた末に浮かんできたのは、大学時代を過ごした鳥取のことでした。
5年間の大学生活を送った鳥取県。私にとってとても楽しい生活で、定年退職の後でもいいから、住めたらいいなと思っていた場所でした。私は、微力でもいいから、鳥取のためにできることをしようと思い、移住を決断しました。
鳥取の農業体験に参加して。
初めはとくに農業と決めていたわけではなく、多くの選択肢の一つが農業でした。でも、鳥取県で農業体験をさせてくれる方がおり、その方に教わっているうちに、気持ちがかたまっていくのが分かりました。
農業というのは、昔から培われ、受け継がれてきた技術の結晶です。一朝一夕でできるほど簡単なものではありません。でも今、若い人のほとんどは、農業に就きません。現役の農家の方ですら、細かいところは先輩の農家さんに聞くなどして、取り組んでおられます。
現在、私が知っている限り、岩美町に野菜作りをなりわいとしている専業の農家さんはほとんどいません。農業をしている方も、60~70代の方がほとんど。若い方はとても少なく、私と同じような立場の若い農業従事者は、自分をふくめてたった3人。
私は、これから農家が減っていくにつれて、昔の方がやってきた農業の技術が忘れられていくんだろうな、と思うと、それでいいんだろうか、という気持ちになりました。
若い人が、この技術を受け継いでいかないとならないのでは?
休憩時間、田んぼのそばで休んでいたら、田園風景の美しさに感動しながら思いました。
こんなきれいな、田んぼがある風景をなくしてしまってはいけない!
専業農家の道へ。
農業は奥の深い仕事です。私は鳥取市内に出て、ご夫婦でやっているベテランの農家さんのところに教えてもらいに行っていましたが、その方が常々言っておられたのは、
30年やっていても、失敗はある。日々試行錯誤しながら、考えてやっていくしかないよ。
ということでした。
確かに、思うように実がならなかったり、育ちが悪かったりすることは、どうしてもありました。でも私は、持ち前の明るい性格からか、とにかくどんな作業も楽しく続けてこられました。
春。日に日に暖かくなって、山の中に住む生き物たちも賑やかになってくる。作業をしていると毎日自然と耳に入ってくるそれらの声に改めて耳を傾けてみると、ウグイスをはじめ少なくとも3種類以上の鳥たちがせわしく鳴いているのが分かるんですね。こんな環境の中で働けるって最高じゃないですか?
直売所で、お客様とかかわる喜びを実感。
手間ひまかけて育てた野菜を直売所に出させてもらったことは、とてもいい経験になっています。
「自分が作ったものをお客さんが手に取って、買ってくれる」
これは、会社員時代には絶対に味わえないことでした。
農業をやる前は、スーパーで買って当たり前のように食べていた野菜も、誰かが心をこめて育てた結果、手に入るものだということ。また、実際に多くのトマトから自分のトマトを手に取り、買ってくれるのを見て、経済の循環の一部に自分も入ったのが分かりました。
私は、お客様にもっと手に取る野菜の良さやこだわりを知ってもらいたいと思い、毎年、POPを作って、紹介してきました。POPだけではうまく伝わらないと思っていたので、直売所で、直接声をかけて買ってもらってもいます。
お客様に手に取ってもらい、後で
「美味しかったよ!」
と言ってもらえたときが、いちばん嬉しい瞬間です。
2016年、ネット販売を始めました。
・全国に”いわみとまと”のおいしさを広めたい。
・もっと鳥取や岩美の良さを知ってもらえるようにしたい。
・もっと「ファームスプリングボード」という名前にこめた意味に近づいていきたい。
そう思い、2016年、ファームスプリングボードはインターネットでの通販を開始しました。味や品質の追求は欠かしません。「いいものを作るのは当たり前」だと思っています。
これからファームスプリングボードの野菜や農場を「キッカケ」にして、あなたや、あなたの大切な方が、もっともっと笑顔になれるように、頑張っていきたいと思います。