臼と杵でついた餅が美味しいそのわけは?
2017/11/02
鳥取県岩美町からこんばんは!
farm Springboardの川西です。
先週末、JAが主催するイベントで、
JA青壮年部として餅つきの実演と
つきたてもちの販売をしてきました。
餅つきは、もちろん臼と杵でつく
今では珍しくなったあの餅つきです。
(写真を撮り忘れていたので、実際の写真とは異なります。)
餅つきが始まると、多くの人たちが
一目見ようと周囲に集まってきます。
子供は、つく前の蒸されたもち米を見て、
「ご飯だ!」
と叫びます。
僕たちは「これはもち米っていうんだよ。」
と教えてあげます。
青壮年部みんなで
「よいしょ!よいしょ!」
と、大きな掛け声で会場を盛り上げながら
餅をついていきます。
そして、つき終えた餅を買い求める
お客さんもぞくぞくと集まってきます。
その中で列に並んだお爺さんが、
僕にこう話しかけてきました。
「やっぱり、機械よりこの杵でついた餅が
美味いんだよなー」
毎年、こうやって餅つきをやってると
このお爺さんと同じことを言うお客さんが
いつもいたことを思い出しました。
では、なぜ
機械でついた餅より、
臼と杵でついた餅のほうが
美味しく感じるのか?
調べてみました。
練ると叩くの違い
餅つき機と言われる機械は
羽がクルクルと回って、こねるようにして
餅をつきます。
一方、臼と杵だと、もち米を叩いて
つぶします。
これが、できた餅の違いを生み出しています。
機械だともち米内部の柔らかい部分が
先につぶれて、しっかりしている米の
表面が粒として残ってしまいます。
家庭用の機械でついた餅を成形すると、
その表面にブツブツが残ってしまって、
かといってつき過ぎると餅がとろけるように
柔らかくなり過ぎ、成形できなくなってしまった。
そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか?
また、機械だとついている最中にたくさんの
空気が入ってしまい、餅の密度は低くなります。
杵でついた餅は、こねるのではなく
叩いてつぶすので、もち米の内部だけでなく
表面もしっかりつぶれ、しかも空気は
押し出されるので、餅の密度が高くなります。
餅の弾力がちがう
そうすると、つきあがった餅の
弾力が全然ちがってきます。
機械でついた餅も柔らかいですが、
弾力は少なく、お汁に入れたりすると
溶けやすいです。
こねているだけなので、餅がしっかり
していないんですね。
もち米をしっかり叩いて潰してできた餅は、
しっかり詰まっていて、弾力が強いのが
特徴です。
だから、口に入れたとき、
食べごたえがあって美味しいと感じるのは
臼と杵でついた餅なんですね。
餅つきイベントで確かめよう
店頭に並ぶ、つきたて餅と言われるものは
ほとんどが機械でついた餅です。
今では、臼と杵を持っている家庭も
めずらしいくらいで、冬場のイベントなどで、
たまに登場する程度でしょうか?
もし、餅つき大会なるイベントがあれば
ぜひ足を運んで、この餅の違いを
確かめてみてください。
僕に話しかけてきたお爺さんが言うとおり
間違いなく、美味しい餅が味わえると
思いますよ。